小麦たんぱくとは?小麦グルテンとは?

小麦たんぱくとは?小麦グルテンとは?

こんにちは。フスボンオーナーです。 グルテンフリーという言葉を聞いたことがないくらいグルテンが定着しました。フスボンではグルテンを原料として使用している商品が多数なので、グルテンについて深掘りしていきます。 まず、グルテンとは何かご説明します。

グルテンとは何か?

グルテンができる様子

小麦粉には「グルテニン」と「グリアジン」という2種類のたんぱく質が含まれており、小麦粉に水を加えて捏ねることで2つのタンパク質が網目状のように絡み合います。

その網目状になった物質をグルテンといいます。

弾力に富むが伸びにくい性質の「グルテニン」と、その逆に弾力は弱いが粘着力が強くて伸びやすい性質を持つ「グリアジン」

の2種類のタンパク質によって作られた網で、発酵したパンからの二酸化炭素やエタノールを気泡として閉じ込めます。

小麦グルテンの用途と製造方法

グルテンとは、上記のようにパン作りの過程で生じるタンパク質のことですが、ここではグルテンのみを抽出して製品化されたグルテンについて説明していきます。

作り方は、大まかにいうと、水と小麦粉を捏ねた出来た塊を多量の清水で洗うことにより、でん粉とたん白とに分離することが出来るのですが、出来上がる粒子の大きさがまちまちです。

そこで、用途に応じて使い分けがされます。

グルテンの用途

昔から身近に使われているグルテンの一例・お麩

食品で身近なところでは、すき焼きやお吸い物に使われるお麩に含まれています。パスタやうどんやパンやお菓子で小麦粉だけでは、弾力やもっちり感が弱い時などにも使用されます。

また、かまぼこの食感の改善のために含まれている場合もあります。

医薬用では、錠剤、散剤として、工業用としては織布経糸用、仕上げ用、染色用糊などの繊維工業、製紙工業の広範囲にわたる需要があります。

製品化されるグルテンの5つの形態

小麦グルテンはその形態から、粉末状、ペースト状、粒状、湿麩状(ガム状)、繊維状の5つの製品があり、各々の特性を生かし、広い範囲の食品に利用されています。

粉末状はその特異的物性から、水産・畜産ねり製品、麺製品、ベーカリー製品などに、ペースト状はその粘性、結着性、乳化性、抱脂性、ゲル形成性などから、水産ねり製品、魚肉・畜肉ハム・ソーセージ、各種調理食品などに、粒状は挽肉状の形態、食感より、各種食肉加工品、冷凍食品、レトルト 食品などに、湿麩状は焼麩、生麩等に利用されています。

低糖質パンに使用される粉末状の小麦グルテンの製造法

 グルテンの製造方法とは? 用途によって小麦グルテン製品の製造法は異なりますが、ここでは、低糖質パンに入っている粉末状の小麦グルテン(小麦たんぱくともいいます)の製造法について説明していきます。

日本では、小麦のたんぱく質の特性を利用して、小麦粉から生地(ドウ)をつくり、グルテンとでん粉とを分離する方法(マーチン法)を用いて作られることが多いようです。

アメリカ、カナダ、オーストラリアでは、生地(ドウ)よりさらにゆるい生地(バッター)をつくり、これを十分に洗浄して、でん粉とたんぱく質を分離する方法(バッター法)を用いて作られます。

粉末状の小麦グルテンは、活性(バイタル)グルテンとも呼ばれ、製造工程中に加熱や剪断等の変性を殆ど受けないで乾燥されたもので、加水により速やかに元の粘弾性を持ったグルテンに復元する特徴があります。

以下が、粉末状の小麦グルテンの製造工程です。

製造工程1.加水、混練 タンパク質の配合の割合が多い強力粉に、うまくグルテン形成が出来るように水を加えます。加水量は小麦粉の種類により若干異なりますが、普通は65~70%(対小麦粉)で混練により形成されてゆくグルテンを壊さないように優しく練り上げます。

製造工程2.水洗、分離工程 生地に対し3~5倍量の清水で、最初はグルテンが水中に分散しないようゆっくり水洗し、でん粉が適当に水中に洗い出されてからは、グルテン中にでん粉が残存しないよう強く水洗します。この工程で、でん粉とグルテンが分離されます。

製造工程3.下処理、乾燥 分離されたグルテンは、水分65~67%の粘弾性に富むガム状(ウエットグルテン:湿麩)の塊です。乾燥方法の違いにより3種類の製造法があります。

(1)気流乾燥法 フラッシュドライ法とも呼ばれ、ウエットグルテンを細かく裁断しながら打ち粉(通常乾燥製品)を混合し、水分調整をした後気流中で乾燥させます。乾燥は瞬時に行なわれます。 この方法で製造されたバイタルグルテンは乾燥中に空気により若干酸化されるようですが、グルテンの高次構造が比較的壊れないままで残っていて、弾力の強い製品になるのが特長です。

(2)噴霧乾燥法 スプレードライ法とも呼ばれ、ウエットグルテンに酸(酢酸)やアルカリ(アンモニア)を入れpHを調整して低粘度の分散溶液を調整します。この液を高温雰囲気中に噴霧(スプレー)し、瞬時に乾燥させます。 この方法で乾燥されたグルテンは表面積が非常に大きいことやグルテン分子の荷電が大きくなることにより速やかに吸水し、滑らかで混合性の良いのが特長です。

(3)真空乾燥法・凍結乾燥法 真空乾燥法はウエットグルテンをポンプ等で高真空下(10Torr)のチャンバーへ連続的に供給し、沸点10℃の低温下で乾燥させます。特長としてはグルテンの加熱変性が極めて少ないこと、穀物臭等の臭い成分が揮散し易いこと、ウエットグルテンそのままで乾燥できること、反対にグ ルテンに種々の食品や添加物が混合できること等の対応が可能となります。また、凍結乾燥法は更に真空度を上げ自己凍結させたまま、あるいは凍結状態で昇華脱水をすることが出来、最も変性の少ない優れた乾燥法といえます。

小麦グルテンの栄養成分

糖質 カロリー タンパク質 脂質 食物繊維 食塩相当量
8.2g 398kcal 72.0g 9.7g 2.4g 0.2g
タンパク質だけを取り出しているので、低糖質タンパク質量が多いのが分かります。

小麦グルテンのアミノ酸組成

 代表的なアミノ酸の構造図

小麦グルテンのアミノ酸の組成を見てみましょう。比較として大豆に含まれるタンパク質(大豆グルテンとして抽出したものではなく普通の大豆の中のタンパク質100gです)との比較も乗せておきます。

mg/100g 小麦グルテン 大豆
イソロイシン 3000 5100
ロイシン 5400 8200
リジン 1400 6800
メチオニン 1300 1600
シスチン 1600 1700
フェニルアラニン 4100 5800
チロシン 2500 3700
トレオニン(スレオニン) 1300 4100
トリプトファン 780 1400
バリン 3300 5200
ヒスチジン 1800 3000
アルギニン 2700 8100
アラニン 2100 4600
アスパラギン酸 2700 12000
グルタミン酸 29000 4600
グリシン 2700 4600
ブロリン 11000 5700
セリン 3600 5000

アミノ酸組成値は、「改訂日本食品アミノ酸組成表」より抜粋

小麦グルテンに含まれるアミノ酸よりも大豆に含まれるアミノ酸の方が基本的に多いことがわかります。

グルテンフリーについて

グルテンフリーとは、小麦製品を含む摂取をしないことです。どのようにグルテンによる悪影響が引き起こされるのでしょうか。

タンパク質グリアジンとポリペプチドのエクソルフィン

グルテンによる悪影響やアレルギーの原因物質はグリアジンと言われています。グリアジンが消化酵素により分解され、一部がエクソルフィンというポリペプチドにも分解され、エクソルフィンが脳にあるモルヒネなどの麻薬の受容体であるオピオイド受容体に結合すると、多幸感を感じるようになり、次第に小麦依存性が生じてくるという理屈です。

一見正しそうに聞こえるのですが、間違えています。ペプチドやポリペプチドは確かに、小腸粘膜上皮細胞には入ってきますが、その後、微絨毛(刷子縁)膜の細胞質中の酵素(ペプチダーゼ)でバラバラにされて遊離アミノ酸となり,粘膜下組織の毛細血管から,門脈系を経て肝臓に運ばれるのであって、ペプチドのまま血管の中に入ってくることはありません。ペプチドのまま血液中に入ってくるのは、この後に説明するリッキーガット症候群のお話で、腸が通常の状態であれば、ペプチドが血中や脳内に直接入ってくることはありません。

リッキーガット症候群

 リッキーガット症候群の図解

リッキーガット症候群とは、ストレスなどが原因で、腸の粘膜が薄くなるのに加え、細胞に隙間ができ、細菌やペプチドなどを血中に取り入れてしまうような状態のことを言います。

この状況が、グルテンによる不調などあらゆるアレルギーや遅延型アレルギーの原因です。リッキーガット症候群の状況では、小麦グルテンに限らず、どんなタンパク質を取り込んでも、血中にペプチドを取り込んでしまうこととなり、 身体に不調をきたします。

リッキーガット症候群を防ぐには

①ストレスをかけないこと これが最も大切です。これは、環境要因でもあるので、ご自身で簡単に解決出来ないこともありますが、体調がすぐれない時、うつ状態の時は仕事を休んでリフレッシュしましょう。身体が資本です。

②タンパク質をアミノ酸まで消化しやすい状態にする

⑴タンパク質がアミノ酸にまで分解しやすくなるように、よく噛むことがまず大切です。基本的なことですが、疲れていたりすると、よく噛まずに飲み込んだりもするので、噛むことはとても大切です。

⑵また消化酵素の働きを強めることも大切です。消化酵素自体もアミノ酸を元に作られるため、タンパク質の消化吸収がうまくいくことと消化酵素が適切に分泌されることは、ニワトリと卵の関係とも言えます。 最初は、アミノ酸やアミノ酸まで分解されやすいプロテインを摂取して、徐々に消化酵素の働きを強めて行くのが大切です。

なぜグルテンフリーで体調がよくなる人がいるのか

グルテンだけでなく砂糖や小麦の胚乳の糖質が多く含まれるお菓子

グルテンフリーで体調がよくなった人も確かにいると思います。そういった体験談を見聞すると、もともとパスタや麺類、パンやお菓子が大好きで、それらをやめたら体調がよくなったというお話です。

それは、グルテンを摂らないということよりも、小麦の胚乳や砂糖などに含まれる糖質を摂らないことによる影響が大きいと考えられます。

というのも、グルテンは上記のようにタンパク質であり、その組成はグルタミン酸とプロチンを除いて、大豆の方が大きく、大豆ではアレルギーはあっても大豆フリーで健康になったという事例は私は聞いたことがありません。

それは、大豆を使用した製品が豆腐や納豆、お味噌汁など砂糖を多く使わない製品として以前まで使用されてきたからで、グルテンフリーを謳った大豆クッキーやおからクッキー、米粉のお菓子のほとんどの製品で砂糖(血糖値を上げる糖)が含まれているので逆に注意が必要です。

また、グルテンに関して、セリアック病の方は注意が必要です。

セリアック病とは?

セリアック病とは

セリアック病は、グルテンに対する遺伝性の不耐症であり、小腸の粘膜に特徴的な変化を起こし、吸収不良が起こる持病のことです。吸収不良によって、慢性の下痢、体重減少、鉄欠乏性貧血、、浮腫庖疹状皮膚炎といった症状がみられます。

セリアック病をお持ちの方はグルテンの摂取ができないので、小麦を含む製品を摂取するのはやめましょう。

グルテンフリーに関するまとめ

リッキーガットの状態で、ペプチドのまま体内に吸収されると、グルテンに限らずどんなタンパク質由来のペプチドでも身体に何らかの不調をきたす。(大豆や卵アレルギーなどがその例)

リッキーガットを防ぐには、ストレスフリーな状態を続けることと消化酵素の働きを強めるために分解されやすいタンパク質(プロテインなど)やアミノ酸そのもの(EAAなど)を摂取する。

グルテン単体というよりも、グルテンを含む小麦を使った料理や製品には糖質が多く、血糖値の急上昇急降下による低血糖などの身体の不調を起こすので、糖質を控えた生活を心がける。

上述のように、リッキーガット状態でなく、砂糖・小麦の胚乳部分不使用で低糖質であれば、グルテンを使用していても問題ないと考えますが、セリアック病などでグルテンフリーの製品が食べたいという方はこちらにご用意がございますので、ご覧下さい。

ブログに戻る
  • 川谷 洋史

    1980年12月・大阪生まれ。 東京工業大学・工学部・建築学科卒。一級建築士。
    2012年ごろより糖質制限にハマり、低糖質で無添加、良質な脂質、人工甘味料を使用しないパンやスイーツがないことから、自作を始める。
    2014年9月にフスボンを立ち上げ現在に至る。
    趣味
    食べること、スポーツ観戦、サウナ、ゴルフ、ゲーム、登山、Youtube
    マイブーム
    糖質制限×サウナ×オーソモレキュラー
    プロフィールを詳しく見る