ビタミンDとカルシウム・免疫との関係・摂りすぎないための注意点

ビタミンDとカルシウム・免疫との関係・摂りすぎないための注意点


ビタミンDについて

こんにちは!フスボンオーナーです。本日は、ビタミンDについて深堀りしていきましょう。
まずは、ビタミンDの体内での役割から見ていきます。

ビタミンDの役割とは?

カルシウム代謝に役立つ働き

ビタミンDは、肝臓と腎臓で代謝され、働く形の活性型ビタミンDに変換されることで、腸管からのカルシウムやリンの吸収を高め、骨・ミネラル代謝の維持において重要な役割を担っています。
このため、カルシウムが足りていても、ビタミンDが不足すると、カルシウム代謝異常を生じ、骨粗鬆症、くる病(背骨や四肢の骨が変形する)や骨軟化症(骨がもろくなる)が発症しやすくなると言われています。
カルシウムサプリにビタミンDが含まれていることが多いのは、以上のような理由からです。  

ビタミンDは免疫をコントロールする役割を持つ

ビタミンDは現在、世界的に大きな注目を集めているビタミンで、その理由の1つは、ホルモンのような作用があり、免疫をコントロールする働きがあります。なお、ビタミンD不足は、免疫力低下、花粉症、アレルギー、ぜんそく、関節炎、がんなどと関与すると考えられています。花粉症については後述します。  

ビタミンDの2つの供給源

ビタミンDには、2つの供給源があります。

ビタミンDを日光を浴びて生成

ひとつは、皮膚に存在するプロビタミンD3が日光中の紫外線の照射を受けてプレビタミンD3となり、さらに体温により熱異性化されてビタミンD3になったものです。

冬場は日照量も減る為、ビタミンDが体内で不足しがちになります。女性は、日焼け止めや日傘なので夏場も不足している可能性がありますので注意が必要です。  

食品やサプリなどから摂取

もうひとつは、食品やサプリから摂取する方法で、体内で必要なビタミンDには、ビタミンD2とビタミンD3があります。  

ビタミンD2とビタミンD3の違い

ビタミンD2、ビタミンD3は、分子の形が似ていて、同族体であり、鎖側だけが少し異なります。分子量もほぼ等しく、体内でも同様に代謝され、ほぼ同等の生理効力を発揮します。

ビタミンD2はきのこ類に、ビタミンD3は魚類、に多く含まれます。  

ビタミンDが多く含まれる食材


ビタミンDが多く含まれる食材  

ビタミンD3

サケ、マスなどの脂肪性の魚および魚類肝臓に多く、チーズ、卵黄などに少量含まれます。

ビタミンD2

キクラゲなどのきのこ類に多く含まれています。  

ビタミンDの摂取基準

まず、量の単位であるμg(マイクログラム)とIUの違いを理解しましょう。
この単位の違いに戸惑ったことはありませんか?

少し前はIU(アイユー)という国際単位で示されていましたが、現在ではμg(マイクログラム)で表されます。
1μg=40IUです。

厚生労働省(日本人の食事摂取基準2015年度版による)の目安量
成人(男女) 5.5μg/日
( 220 IU/日 )

耐容上限量100μg/日
( 4,000 IU/日 )

大体、市販のサプリは、1カプセル1000IUのものが多いので、MAXで1日4錠までいけることになりますが、ビタミンDの過剰摂取を避けるために、2錠から3錠で調整するのが良さそうです。  

ビタミンDサプリの品質の見極め方について

通常の安価なビタミンDは、羊毛に紫外線を照射することによって生成されます。
一方で、高品質なビタミンDは魚の肝油が原料となります。ですので、原材料に精製魚油が含まれるものを選びましょう。多くは、生成されたタラの肝油が含まれていることを示しています。

 

溝口徹 最強の栄養療法「オーソモレキュラー」入門より引用しています

以上のことから、肝油由来のサプリを選ぶ方がいいようです。  

ビタミンDの摂取で気をつける点

ビタミンA欠乏症

ビタミンDはビタミンAと核内受容体(細胞の中の核で情報を受信する部分)を共有するため、ビタミンDを多く摂取するときに、ビタミンAのシグナルが入りにくくなり相対的なビタミンA欠乏症状(ドライアイ、夕方目が見えにくくなるなど)が出る場合もあります。
また、ビタミンAは以前から知られる皮膚や粘膜を保つ役割以外にも、経口免疫寛容(口から摂取するもにはアレルギー反応を起こさないようにしようというメカニズム)が機能するために不可欠であることがわかっています。ビタミンDとは違う経路のシーズンケア成分ですので、ビタミンDとAを同時に摂るのが理想です。

 

日本機能性医学研究所オンラインストアから引用しています。

以上のように、ビタミンDを摂ると、ビタミンAの欠乏症が起きることがあるので、ビタミンAを同時に摂取する方が良いです。

 

高カルシウム血症

ビタミンDは、脂溶性ビタミンのため過剰摂取による健康障害がありえます。

ビタミンDを摂りすぎると、高カルシウム血症が起こり、血管壁や腎臓、心筋、肺などに多量のカルシウムが沈着します。 そのため腎機能障害や食欲不振、嘔吐、神経の興奮性の亢進などの症状が現れます。
骨粗しょう症などで、病院で処方されるビタミンDをサプリ代わりに飲むと大変危険です。病院で処方されるビタミンDは、骨粗しょう症に効きやすいように処方されている活性型のビタミンDだからです。

ここで、不活性型のビタミンDと活性型のビタミンDの違いについて説明します。  

活性型ビタミンDと不活性型ビタミンDの違い

食品や日光を浴びることによって獲得したビタミンDは、血流によって肝臓に運ばれ、側鎖の25位が水酸化されて、25-ヒドロキシビタミンD3となります。25(OH)D3と表現されることも多いです。

さらに25(OH)D3は腎臓に転送され、1α位が水酸化され、1,25(OH)2Dになります。これが体内で最も働くビタミンDとして、活性型ビタミンDと言われます。病院で骨粗しょう症の改善のために処方されるビタミンDは活性型のビタミンDです。

それに対して、サプリに含まれるビタミンDは不活性型です。不活性型のビタミンDなので、ある程度過剰に摂取していても、体は必要な分だけ活性型のビタミンDに変化させるため、即座に影響は出ないとされていますが、不安な方は、血液検査でビタミンD濃度を検査しましょう。下記に測定項目と基準について示します。  

血中のビタミンD濃度の測定と基準値について

ビタミンDの大部分は25(OH)Dに代謝され、血中で長時間循環するため、生体内のビタミンDの過不足の指標として測定できます。

 

25(OH)D

ng/ml

nmol/L

日本 BML

基準値

30~100

75~250

不足状態

20以上~30未満

50以上~75未満

欠乏症

20未満

50未満

ビタミンD欠乏を評価する上で、25(OH)D濃度が20ng/mL未満の場合を欠乏症、20~30ng/mLは不足状態とすることで国内外の見解はほぼ一致しています。

摂りすぎはよくないですが、不足している人も多いため、血液検査で、追加で25(OH)Dを測定するのが、間違いないと思います。
骨粗しょう症の恐れのある方などは、2016年からは保険適応となっています。

さて、ここからはビタミンDと免疫の関係について少しだけ深堀りします。  

ビタミンDとアレルギー性鼻炎

私は昔から、花粉症やアレルギー性鼻炎に悩まされてきました。耳鼻科にいくと大体、ステロイドを使って、抑え込む治療が多いのですが、眠くなったり根治治療につながらないことから疑問を感じていました。そのような中、糖質制限とビタミンDの摂取で症状が少し緩和したので、その仕組みについて記載します。  

糖質制限でまず血糖値の上下動を抑える

糖質制限を行うと、血糖値の上下の差が少なくなり、血管の内壁で炎症を起こすことが少なくなります。
また、食後の低血糖によるイライラや動悸などを少なくすることもできます。

ただ、糖質制限だけでは、アレルギー性鼻炎やアトピーなどを完全に無くすところまではいけません。そこでビタミンDです。  

ビタミンDは、免疫調整ホルモンとしても機能する

ビタミンDが免疫系全体をコントロールする「免疫調整ホルモン」としての機能がある

 

斎藤糧三「サーファーに花粉症はいない」より引用

とあり、アレルギーやアトピーが免疫の過剰反応であることはよく知られていることから、ビタミンDでその過剰な反応を抑えられることがわかってきました。

また、日本におけるオーソモレキュラーの第一人者である溝口徹先生の「花粉症は一週間で治る!」も読んでみました。本全体としては、胃腸を強くして、免疫力を高めるという話ですが、特にビタミンDの部分を強調しているように個人的に感じました。 ポイントは以下の5点です。

・冬場は、日照不足でビタミンDが不足しがちなので、サプリで摂る。 ・糖質を控える。 ・乳製品はアレルギーを生じる恐れがあるので控える。 ・乳酸菌はヨーグルトではなくサプリで継続的に摂る。 ・(男性は)亜鉛を摂る。

溝口徹「花粉症は一週間で治る!」より引用

亜鉛については、男性はもともと亜鉛が不足しやすいことと、糖質制限をしているとどうしてもタンパク質の摂取が多くなりますので、その代謝に亜鉛が必要となるので、亜鉛も個人的には必要なポイントだと感じました。最近、奥平先生の鉄欠乏の本が出て話題となっていますが、男性は鉄欠乏は少ないような印象を受けます。私も血液検査をしたところ鉄の項目はすべて過剰でしたので、鉄サプリをやめました。鉄は摂りすぎると肝臓に負担がかかるので、気になる方は血液検査をすることをお勧めします。

乳酸菌サプリについては、漢方のように即効性がないので飲み続けることがとても難しいサプリだと感じますが、頑張って続けると成果がでるのかもしれません。乳製品については、牛乳はともかくチーズなどはカルシウムやタンパク質なども豊富で個人的にはメリットも多いと感じていますが、牛乳やヨーグルトを毎日摂取されておられる方は、乳酸菌サプリに切り替えてみるのも一考です。

ビタミンDまとめ

ビタミンDは、冬場は特に不足しがちなビタミンなので、サプリを使って補給するのが良い。その際は、肝油など魚の油由来の天然のものを選ぶ。ビタミンDは、足りないのも多いのも問題があるので、血液検査で、25(OH)Dを測定して、過不足を常にチェックする。

以上となります。では、また!

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  • 川谷 洋史

    1980年12月・大阪生まれ。 東京工業大学・工学部・建築学科卒。一級建築士。
    2012年ごろより糖質制限にハマり、低糖質で無添加、良質な脂質、人工甘味料を使用しないパンやスイーツがないことから、自作を始める。
    2014年9月にフスボンを立ち上げ現在に至る。
    趣味
    食べること、スポーツ観戦、サウナ、ゴルフ、ゲーム、登山、Youtube
    マイブーム
    糖質制限×サウナ×オーソモレキュラー
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