エリスリトールとは?

エリスリトールとは?その特徴、効果、摂取方法と注意点

公開日:2024年07月17日
更新日: 2024年07月17日

こんにちは!フスボンオーナーです。

フスボンの商品は甘さを感じるのにどうしてこんなに糖質が低いの?とご質問いただくことがありますが、それは天然甘味料で希少糖の一種であるエリスリトールのおかげです。今回は、糖質制限の鍵を握るエリスリトールについてご紹介致します。

目次

エリスリトールとは?

エリスリトールとは?

エリスリトールは果実やきのこ、発酵食品などに含まれる、天然の糖アルコール(糖質が持つカルボニル基に水素を添加した糖質の総称です。糖質を還元させた物質)です。大きな特徴として、体に吸収されるものの代謝されず、血中にしばらくどどまったのちに尿と共に排出されるため、甘みが砂糖の7割程度あるにも関わらず、実質的な糖質が0であるということです。

以下にエリスリトールの吸収と代謝に関する論文を示します。

この研究では、エリスリトールとキシリトールの吸収と代謝を調査しました。エリスリトールは腸で主に吸収され、体内で代謝されずにほぼそのまま排泄されます。ただし、少量はエリトロネートに代謝されることが確認されており、これは用量依存的に増加します。エリスリトールの代謝率は非常に低く、エリトロネートの形成率は用量によって異なりますが、全体的には少量のみが代謝されます。

引用元:Absorption and Metabolism of the Natural Sweeteners Erythritol and Xylitol

エリスリトールは非常に安全な食材で、「シリコンバレー式自分を変える・最強の食事」の中にもステビアと合わせて、エリスリトールは、完全無欠な甘味料として紹介されています。

自然界に存在する50種類ほどの糖アルコールを総称して希少糖と呼ぶこともあります。

エリスリトール発見に至る歴史

エリスリトールの歴史

エリスリトールは19世紀後半に最初に発見され、自然界では特定の果物や発酵食品に存在します。エリスリトールは最初、1848年にスコットランドの化学者ジョン・ステンハウスによって発見されました。彼はこの化合物を天然の発酵食品から分離しました。その後、エリスリトールの構造と特性が徐々に解明され、20世紀後半には人工的に大量生産が可能になりました。

20世紀末から21世紀初頭にかけて、エリスリトールの低カロリー性と低血糖指数が注目され、糖尿病患者や低糖質ダイエットを実践する人々に広く利用されるようになりました。特に、エリスリトールは砂糖の代替として食品や飲料、スイーツなどに使用されることが増えています。さらに、エリスリトールは大量に摂りすぎない限りは、他の糖アルコールと比べて、消化器系への負担が少ないため、広く受け入れられています。

エリスリトールの製造方法

エリスリトールの製造方法

エリスリトールは主に発酵法によって製造されます。これは、特定の酵母や菌を使用してグルコースを発酵させるプロセスです。発酵により生成されたエリスリトールは、精製されて結晶化され、最終的に食用のエリスリトール製品となります。発酵法は、環境に優しく、持続可能な生産方法として評価されています。

製造プロセスは以下のように進行します。まず、グルコースを培地に加え、特定の酵母や菌株を使用して発酵を行います。発酵が進むと、エリスリトールが生成され、培地中に蓄積します。次に、発酵液をろ過して不純物を取り除きます。その後、エリスリトールを結晶化し、さらに精製して高純度のエリスリトールを得ます。このプロセスにより、エリスリトールは99.5%以上の純度を持つ製品として市場に供給されます。

詳細な製造プロセスについては、以下の論文を参照してください:

エリスリトールと血糖値の関係

エリスリトールと血糖値

エリスリトールは血糖値やインスリンレベルに影響を与えないため、糖尿病患者にとっても安全な甘味料です。エリスリトールの摂取により、血糖値が急上昇することがなく、インスリンの分泌も促進されません。この特性により、エリスリトールは糖尿病管理において非常に有益とされています。

詳しい研究結果は以下の論文で紹介されています:

この総説論文では、健康な被験者および糖尿病患者を対象とした急性および慢性の研究結果をまとめています。エリスリトールの急性摂取(20-75g)は血糖値やインスリンレベルに影響を与えないことが示されています。また、2週間の介入試験では、糖尿病患者がエリスリトール(20g/日)を摂取することで、HbA1cが8.5%から7.5%に有意に低下したことが報告されています。

引用元:Erythritol: An In-Depth Discussion of Its Potential to Be a Beneficial Dietary Component

エリスリトールと他の天然甘味料の比較

エリスリトールと他の甘味料の組み合わせ

エリスリトールは甘味が砂糖の6割から7割くらいしかなくキシリトールほどではないものの、若干清涼感が口に残ります。そこで羅漢果やステビア、あるいはその両方と組み合わせて使用することで、足りない甘味と清涼感をマスキングする役割があります。

以下に、エリスリトールと他の主要な天然甘味料の比較を示します。

ステビア: ステビアは南米原産の植物で、その葉から抽出される甘味成分は非常に甘く、カロリーゼロです。エリスリトールと組み合わせることで、ステビアの特有の後味をマスキングし、より自然な甘味を提供します。

キシリトール: キシリトールはエリスリトールと同様に糖アルコールの一種で、主に樹木の樹皮から抽出されます。キシリトールはエリスリトールよりも少しカロリーが高いですが、虫歯予防効果があります。エリスリトールとキシリトールを組み合わせることで、よりバランスの取れた甘味を得ることができます。

羅漢果(ラカンカ): 羅漢果は中国南部に自生する植物で、その果実から抽出される甘味成分は非常に強力です。エリスリトールと組み合わせることで、羅漢果の甘味を補完し、砂糖に近い甘味を実現します。

エリスリトールはこれらの天然甘味料と比較しても、カロリーが低く、血糖値への影響がほとんどないため、ダイエットや糖尿病管理に非常に適しています。また、エリスリトールは消化器系への負担が少なく、多くの人々にとって安全に摂取できる甘味料です。

エリスリトール摂取のメリット

エリスリトール摂取のメリット

エリスリトールには多くの健康メリットがあります。以下にその主なメリットを紹介します。

  • 低カロリー:エリスリトールは、体内に吸収はされるものの代謝はされないため、実質的な糖質は0gとなります。フスボンの糖質表記は全てエリスリトールを含まない量の表記となっています。エリスリトールは、糖質を抑えたい人々にとって理想的な甘味料です。
  • 血糖値の安定化: エリスリトールは血糖値に影響を与えないため、糖尿病患者や血糖値の管理を重視する人々にとって安全です。
  • 虫歯予防: エリスリトールは口内細菌の活動を抑制し、歯垢形成を防ぐ効果があります。これにより、虫歯予防に役立ちます。

エリスリトールの虫歯予防効果についての詳細な研究は以下の論文で確認できます:

この3年間の介入研究では、エリスリトール、キシリトール、ソルビトールキャンディの長期的な毎日の摂取が、エナメル質および象牙質う蝕病変の発生に与える効果を比較しました。結果、エリスリトール群では他の群と比較して、象牙質う蝕の歯と表面の数が有意に少なく、う蝕病変の発生までの時間が最も長いことが示されました。

引用元:Effect of Erythritol and Xylitol on Dental Caries Prevention in Children

エリスリトールの摂取の注意点

エリスリトールの摂取の注意点

エリスリトールは通常の量であれば安全ですが、大量摂取すると一部の人に下痢などの消化器症状を引き起こすことがあります。特に、急に大量のエリスリトールを摂取することは避け、少量から始めることが推奨されます。

欧州食品安全機関(EFSA)は、エリスリトールの許容一日摂取量(ADI)を0.5 g/kg体重/日と設定しています。これに基づくと、体重60kgの成人の場合、30gが安全な摂取量の目安となります。

エリスリトールの過剰摂取は消化器症状を引き起こす可能性があるため、適量を守ることが重要です。具体的な摂取量については、以下の論文から引用しています。

欧州食品安全機関(EFSA)による再評価では、エリスリトールの許容一日摂取量(ADI)を0.5 g/kg体重/日と設定しました。この値は、下痢の即時的な影響および下痢に続発する潜在的な慢性影響から保護するために適切であると考えられています。ただし、急性および慢性の食事暴露の推定値はこのADIを上回っており、高摂取者は単回および反復暴露後に有害影響を経験するリスクがあることが示唆されています。

引用元:Re‐evaluation of erythritol (E 968) as a food additive

エリスリトールの危険性について

エリスリトールの危険性

エリスリトールは一般的に安全とされていますが、過剰摂取による健康リスクについても研究が行われています。昨今では、心血管イベントリスクに関する研究が注目されており、エリスリトールの血中濃度が高い人は、心臓発作や脳卒中のリスクが高まる可能性があることが以下の論文で説明されています:

この研究では、エリスリトールの血中濃度が高い人は、心臓発作や脳卒中のリスクが高まる可能性があることが示されました。特に、既存の心臓病リスク因子(糖尿病など)を持つ人々において、血中エリスリトール濃度が高い場合、心臓発作や脳卒中のリスクが約2倍になることが報告されています。ただし、この研究は観察研究であり、因果関係を示すものではありません。

引用元:The artificial sweetener erythritol and cardiovascular event risk

既存の心臓病リスク因子(糖尿病など)を持つ方は注意が必要です。具体的には、血中エリスリトール濃度が50 μmol/L(6 μg/mL)を超えると、主要心血管イベント(MACE)のリスクが約2倍に増加することが報告されています。ただし、著者らはこの研究が観察研究であり、因果関係を直接証明するものではないことも強調しています。血中のエリスリトールは24時間から48時間でほとんどが尿から排出されるため、常時摂取し続けなければ、あまり問題ないと思われますが、糖尿病などすでに血管などに炎症がある方は血栓が出来やすくなることを知っておく必要があります。

まとめ

フスボンで使用しているエリスリトールはどれも一個あたり10g以下におさまっているので、フスボン単独で下痢になることはありません。糖質制限の鍵はエリスリトールが握っていると言っても過言ではありません。皆さんもエリスリトールを活用して糖質制限を成功させてください。では、また!

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著者プロフィール

フスボンオーナー・川谷洋史

フスボンオーナー

川谷 洋史

HIROSHI KAWATANI

1980年・大阪生まれ

東京工業大学・工学部・建築学科卒

一級建築士


2012年ごろより糖質制限にハマり、低糖質で無添加、良質な脂質、人工甘味料を使用しないパンやスイーツがないことから、自作を始める。

2014年9月にフスボンを立ち上げ現在に至る。


趣味

食べること、スポーツ観戦、サウナ、ゴルフ、YouTubeを観る


マイブーム

糖質制限×サウナ×オーソモレキュラー

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